東海大福岡の甲子園の闘い、わずか1点差という悔しい想いで終わりました。応援をしていただいたすべての方に感謝申し上げます。
福岡大会や九州大会では、逆転逆転で勝ち抜いてきただけに、最後まで逆転してくれると信じて、みんな応援してくれました。そう信じさせてくれる、夢を見させてくれるチームでした。
特に先般よりの学校への激しいアゲンストの暴風の中、本当に皆さんはよくやってくれました。野球部の皆さんが希望の星でした。希望の光でした。本当にありがとう!
野球部の今年のスローガンは「前人未到」と聞いています。まだ東海大福岡野球部が成し得ていないものがあります。それは、夏の甲子園です。夏の甲子園出場という「前人未到」が残っています。そして、今日の試合で甲子園に忘れてきた勝利というものも、夏に必ず取り返しに来てください。
今日は泣くだけ泣いてもいい。悔やむだけ悔やんでもいい。だけど、皆さんの高校野球の闘いは、まだまだこれから夏に向けて続きます。がんばれ!
弥生三月、冷たい風の中、桜の梢の内から芽吹く息づかいが聞こえています。 本日、第 56 回卒業証書授与式を挙行できることは、大変喜ばしいことであり ます。 今、呼名されました388名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 皆さんのご卒業を教職員一同、誇りに思っております。 保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解 とご協力を賜り、誠にありがとうございました。本日、お子様の卒業をお迎えし、 感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。 また、松本県議会議員をはじめ地域コミュニティの方々、地元中学校校長先生、 たくさんのご来賓の方々にご臨席賜り、心より感謝申し上げます。ありがとうご ざいます。 本校では、できるだけアクティブな教育にこだわってきました。それは、皆さ んがアクティブな活動にこだわりをもってくれたからできたことでした。校外 学習、クラスマッチ、秋のスポーツフェスティバルやけやき祭、そして昨年度か ら始めたカリーチャレンジ。3年生がみんなでつくっていこう、やれることをや りきろうという想いで、すべてのイベントが大成功となりました。まさに仲間と 共に笑顔で過ごせた 3 年間だったと思います。
さて、ご卒業を迎える皆さんに伝えたいメッセージがあります。 それは、人生において私が最も大事にしている二つのことです。 これからの皆さんの人生には長い道のりが待っています。 その道のりは決して平たんな道ばかりではないでしょう。厳しい登り坂や絶 壁の谷、また、急なアクシデントに見舞われるかもしれません。 人生、うまくいくことよりうまくいかないことの方が、ずっと多いのだと私は 思います。そんな人生で、私が大切にしている二つの事とは、逃げない事、そし てごまかさないことです。 どんなピンチに襲われようが、どんな厳しいことが起ころうが、逃げないでく ださい。勝てなくてもいい。負けてもいい。惨敗してもいい。砕け散ってもいい。 でもそこから逃げないでください。 ここで誤解しないでくださいね。大学や会社などの組織をどうしても辞めた いということもあるでしょう。自分の科せられたことをどうしてもできないこ ともあるでしょう。約束をしたもののどうしても果たせないこともあるでしょ う。私が言いたいことは、辞めたいなら辞めることから。できないならできない ことから。果たせないなら果たせないことから、言い訳をして逃げないでくださ い。それが、ごまかさないことだと思っています。ごまかすことなく、何事も受 けとめることが、きっと次の扉を開くカギになるはずです。 自分自身から・自分の心から・自分の生き方から逃げないでごまかさないで、 堂々とした人生を歩んでください。堂々とした人生とは、成功するとか、お金持 ちになるとか、名誉なんかではなく、逃げない、ごまかさない人生だと思います。 どうか、逃げない、ごまかさない、堂々とした人生を歩んでください これが、皆さんへの卒業式でのメッセージです。 最後になりますが、先般からの報道や SNS 等でのことで、皆様には大変ご迷 惑とご心配をおかけしております。報道やネットをみて傷ついた人。友人や周り の人からの言葉で、恥ずかしい思いや、やるせない気持ちになった人も多かった と思います。自分が卒業していく学校が東海福岡高校ということを大きな声で 言えなくなった人もいるかもしれません。 でもね、皆さんがここで学んだ3年間の中で、心に感じたことが真実です。報 道やネットではなく、皆さんが、ここで学んだこと、いろんな人と触れ合ったこ と、心で感じたことがすべてであり、本当の真実です。ですので、皆さんが過ご した3年間の高校生活にどうか誇りをもって、これからの人生を、逃げない・ご まかさないで、堂々歩んでください。 私は、これから、東海福岡の信頼を取り戻し、さらに誇りに思ってもらえる学 校にしていくことを、卒業生の皆さん、保護者・地域の皆様にここでお約束し、 私の卒業式の告辞といたします。
2024 年 3 月 2 日 校長 津山憲司
本日、第96回全国選抜甲子園大会に選ばれました。関係各位の皆さまには厚くお礼申し上げます。また、これまで、本校野球部支えていただいてきた卒業生・保護者の皆様に対しまして心より感謝いたします。
出場決定直後に、野球部員に話をした内容を掲載します。
センバツ甲子園に選考され、出場決定おめでとう。今、皆さんの歓喜の笑顔をみて、本当にうれしく思います。また、今回の出場は、東海大福岡高校全体の喜びであり、全校を挙げて皆さんを応援したいと思います。
皆さんに少し話をします。私は全国大会に出場するチームにいつも言うことです。近くに300メートル級の城山という山があります。頂上に登れば、宗像市内周辺が一望できるすばらしい山です。逆に宗像市内からは城山を見られても、福岡市内や北九州からは城山は見えません。1000あるいは2000メートル級の山に登れば、頂上からの景色も雄大になり、またその山が見られる地域も遠く広くなります。高い山に登れば上るほど、景色も素晴らしくなり、またみられる範囲も広く・大きくなります。
今、皆さんは甲子園の出場が決まり、これからもっとすばらしい景色が見られえると思います。でも、それだけ皆さんを見ている人、注目する人も多くなるということです。
そこで、皆さんに三つのお願いです。
まず一つ目は、これから、皆さんは多くの方から見られる・注目される存在・チームなんだという自覚と誇りをもって、学校生活や野球の練習に励んでください。それが、きっと皆さん自身の大きな成長につながることだと思います。
二つ目は、そのことをプレッシャーに感じるのではなく、皆さんの力に変えてください。皆さんは、毎年甲子園出場している強豪校ではありません。チャレンジャーです。チャレンジャーには無限の可能性があります。当然、勝利をめざすことだと思います。しかし、勝たなければならないというプレッシャーは全くありません。甲子園の日まで、東海福岡らしく伸び伸びといつも通り練習に、そして学校生活に励んでください。
三つ目は、今から皆さんが甲子園でみる景色はすばらしいものです。でも、1000メートルより2000メートル、3000メートルと高い山に登れば、もっともっと景色が広がり、すばらしくなります。きっと日本一の富士山から見る景色は、最高にすばらしいはずです。もっともっとすばらしい景色にチャレンジしてください。そして、皆さん野球部だけではなく、全校生徒に、すばらしい景色を見せてください。
本当におめでとう! どこまでもすばらしい景色をみせてください!
今後とも、本校野球部に対しまして、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
『感謝力をあげてください』
~12月22日全校集会 校長メッセージより~
おはようございます。
昨日から、日本列島に寒波が押し寄せ、冷凍庫のような寒さになっています。風邪などひかぬように気をつけてください。
さて、2023年もあと10日を残すのみとなりました。皆さん、今年1年本当にありがとうございました。皆さんのがんばりで、授業・イベント・部活動といった教育活動を、進めることができました。皆さんのたくさんの笑顔で幸せな気持ちになりました。皆さんの気持ちよい挨拶で、気分が健やかになりました。本当にありがとうございました。
今日の私からのメッセージは「感謝力」について、話をしたいと思います。感謝の力、そうなんです。感謝は、力なんですよ。感謝力は自然に高くなるということはありません。トレーニングや練習をすれば、筋力という力が付きますね。勉強をすれば、学力という力がつきます。それらと同じく、感謝力を高くするには努力が必要です。どんな小さいことにも、どんな些細なことにも、感謝の気持ちを持っていけば、感謝の力が大きくなり、何事にも感謝の気持ちを持つようになります。毎日ご飯をいただけることに感謝、駅員さんやバスの運転手さんに感謝、コンビニのレジの方に感謝、そして、道端に咲いている花に感謝の気持ちをもってください。
一方、感謝の反対語は何ですか、何回かこのことは触れていますよね。そうです。感謝の反対語は「あたりまえ」です。毎日ご飯をたべられることもあたりまえと思ってしまえば、もっとおいしいものを食べたいという欲にかられます。駅員さんがホーム立っていることや、バスの運転手さんが、朝早くから運転していることもあたりまえと考えれば、もっとサービスしろよ、と考えてしまいます。コンビニでレジをしている人にも、もっと早くせいよと思ってしまいます。ましてや、道端の花を見ても何も感じないでしょう。相手に対して、周りに対して、やってくれたことに対して、「あたりまえ」と考える人は、もっとという欲がでます。愚痴がでます。不満があふれます。何事も「あたりまえ」と思うことは、傲慢のはじまりなのです。
それに対して、何事にも感謝の気持ちを持てる人は、謙虚な人です。謙虚な人は感謝力の高い人です。今から、周りに座っている友人に、「ありがとう」という言葉を発してください。相手が言っているときは、静かに聞いて、そのあと「ありがとう」と返してください。10秒間です。始めてください。
ありがとうございます。
言われてどういう気分になりましたか。自分が言って、どういう気分になりましたか。
感謝力を高める一番にコツは、言葉に発することです。
言葉は、古来より言魂と言います。言魂とは、自分が発した言葉が、自分自身の心に返ってくるということです。
「ありがとう」と多く発する人は、自分の心のなかで、感謝の思いが強くなってきます。それが、感謝力を高めるということです。今日から、「ありがとう」一日何回使うか、数えてください。「ありがとう」が多いほど、あなたの中の感謝力が大きくなり、感謝の多い人となります。
「あたりまえ」と思うことの多い、欲や愚痴や不満の多い傲慢な人ではなく、「ありがとう」の感謝の気持ちの多い謙虚な人をめざしてください。
12月31日には、「今年も1年ありがとう」で締めくくってください。そして、1月1日には「新年を迎えられてありがとう」という気持ちでスタートさせてください。
私からの今年最後のメッセージは、感謝力をあげる努力をしてください、ということでした。
それでは、すてきなクリスマスを過ごしてください。
メリー クリスマス! ありがとうございました。
今朝は、皆さんにとって新しい世界に一歩を踏み出すのにふさわしい特別な日となりました。
本日、ここに東海大学付属福岡高等学校 第58回入学式を挙行できることは、誠にうれしく思うところでございます。ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。日本の数ある高校から、本校を進学先として選んでいただき、ありがとうございます。皆さんのご入学を、教職員一同、心より歓迎いたします。
また、4年ぶりに、ご来賓の方々を入学式にお迎えできることができました。宗像市教育長・地元中学校校長先生をはじめたくさんのご来賓の方々にご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。特に、壇上にお座りの伊豆美沙子様におかれましては、宗像市長として初めて本校の入学式に参列していただきました。本校が地域にねざした学校であり、地元宗像市と強い関係の証であると大変嬉しく存じます。ありがとうございます。
さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。本校では、建学の精神を基本として、5つのスクールポリシーを定めています。ご来賓・保護者の方は、お手元の式次第の裏表紙に載せておりますので、ご覧いただきたいと思います。
まずは、「エデュケーションポリシー」理想とする教育であります。「素直な心と感謝の気持ちをもち、主体性と気概をもって、何事にも挑戦することで、ひとの笑顔のためにがんばれる人を育てたい。」という崇高な理想にむかって進めています。笑顔というのは人に伝わります。人の笑顔をみると自分も笑顔になれます。実は、人を笑顔にするということは、自分も笑顔になれるということです。笑顔という言葉を幸せという言葉に置き換えてみてください。人の笑顔や幸せのためにがんばれる人は、実は、自分も笑顔になれる、自分も幸せになれるということなのです。だからこそ、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人になってほしいと思っています。それが、我々が理想とする教育です。
次に「人間力を育てる」ことを、ナビゲートポリシーとしています。これは、3年間でどのような人に育ってほしいかという我々の教育の目標となっています。豊かな人間性を育み、社会性に富んだ、主体的に生きる人間を育てたいと考えています。
三つ目のマネージメントポリシーでは、本校がどのような学校でありたいかを示しています。本校では、生徒・保護者の満足度を高める学校を表明しています。昨年の卒業生のアンケートでは、学校満足度および授業満足度ともに90%でした。これからも努力を重ねてあげていき、満足度100%に近づけたいと思っています。
そして、カリキュラムポリシーでは、「7つの学力」というコンピテンシーを提示しています。各教科の授業はもちろん、イベントや部活動において、具体的にどのような力をつけてほしいかを示した「7つの学力」です。
最後に、「スクールライフポリシー」です。学習・イベント・クラブを、どのような考え方で活動していくのかを示しています。
SDGsや規律の中の楽しさ、そして仲間と共に成長するチーム力を意識して日々のスクールライフを進めていきます。
新型コロナウィルスは、5月には五類に引き下げられることが決定しました。これからも基本的な感染対策をしなければなりませんが、日本国内だけではなく、世界中での人の流れが確実に増えています。皆さん自身にも、留学したり、海外との交流する機会などグローバルな活動が広がっていくと思います。
一方、現在の世界情勢に目をむければどうでしょうか。この一年、ウクライナとロシアの戦争がリアルに報じられています。ウクライナの美しい街が破壊され、人々の平和な日々が崩され、多くの人の命が奪われています。ジェノサイト・大量虐殺が起こっていることも明白になりました。明らかに、ロシアの戦争犯罪が起こっています。ですが、世界はこの状況を止めることができません。日本も決して無関係ではありません。自分たちから遠いところのこと、関係のないことではなく、わたしたちが生きているこの地球上で起こっていることです。私たち自身には、直接何もできないかもしれませんが、関心を持って注視していかなければならないと思います。
ウクライナだけではありません。世界のいろんなところで、民族・宗教・貧困などが要因で争いや紛争が起こっています。また、温暖化問題や食糧問題など今後の世界には多くの課題があります。
現在の日本の社会そして世界の情勢には、答えの見出せない課題が多くあります。皆さんは、今後、そのような世界に歩み出さなければなりません。だからこそ、この東海福岡での3年間で、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人間力と確かな「七つの学力」をしっかりつけてほしいと思っています。
保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づくよう、教職員一同ひとつのチームとなって、常に生徒に寄り添った指導に、取り組んでまいります。それには、保護者の皆様のご協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただきたいとお願い致します。
さあ、新入生の皆さん、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さん自身の力となり、皆さん自身の幸せにつながることとなります。人の笑顔のために、人の幸せのために尽くせる人に成長してくれることを信じ、私の告辞といたします。
2023年4月8日
東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司
皆さん、新しい年度が始まりました。新しい出会いや挑戦が待っています。私たちは、それぞれが持つ能力を最大限に発揮し、チームとして、チーム東海福岡として、目標に向かって一歩一歩進んでいきましょう。
コロナウイルスが5月7日より五類に引き下げられます。ただコロナウイルスがなくなったわけではありませんので、引き続き基本的な感染対策は必要です。ですが、マスクの着用についてもかなり緩和され、日常からマスクが必要でなくなってきています。皆さんは、3年前よりマスク着用を強いられてきました。ですので、緩和されてもなかなかマスクを外せないという人も多いのではないでしょうか。本校では、あくまでもマスク着用については、生徒・教職員ともに、個人の判断でお願いしています。
私は、マスクを外して多くの人の素敵な笑顔が多くみられる学校に、そして世の中になってほしいと思っています。人と人のコミュニケーションには言葉だけではない、口元の微妙な動きや顔全体から読み取れるものも多くあります。そこから、人のことを察したり、思い遣ったりすることも多くあります。そういったコミュニケーション力も必要ではないかと思います。
一方、会話によるコミュニケーションは一番大切なことです。マスク着用、人と人との向き合った会話が自粛されていた時期が多くあったので、コミュニケション力が落ちているように思います。あいさつがその最も顕著なものだと思います。皆さんは、おはようございます。こんにちはとさわやかに挨拶をしてくれます。ですが、おはようと言っても、マスクの下でボソボソっと言う人、会釈だけの人、何も反応しないで通りすぎる人がいます。たいへん悲しいことです。やはり、おはようございます。こんにちは。さようなら。失礼します。ありがとうございます。しっかりと相手に言葉として伝わるようにあいさつをしてほしいと思います。また、それが人と人とのコミュニケーションの基本です。来週より、1年性が合流します。2年生・3年生のみなさん、ぜひ、チーム東海のあいさつを一人一人が、自ら実践してください。1年生の手本となってください。チーム東海のこれからの新たなあいさつ文化を築いてほしいと思います。
今日の私からのメッセージは、三つです。マスクは個人の判断で着用・不着用を決めてください。私は、マスクのない、素敵な笑顔が多く見られる学校に世の中になってほしいと願っています。また、表情から相手の気持ちを察しられるコミュニケーション力を身につけてください。そして、あいさつは、言葉でしっかり伝わるように、素敵なあいさつができる学校にしましょう。
それでは、これからの1年間、2年生・3年生で学校をリードしてください。
自分自身になにができるかを考え、それぞれができることをチャレンジしてください。がんばりましょう。ありがとうございました。
2022年度卒業式告辞「皆さんの人生に、誇りあれ!」
春の優しい陽ざしが感じられる今日、第55回卒業証書授与式を挙行できることは、喜ばしいことであります。
今、呼名されました325名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんのご卒業を教職員一同、誇りに思っております。
保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。本日、お子様の卒業をお迎えし、感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。
また、4年ぶりに、ご来賓の方々をお迎えできることができました。地域コミュニティの方々、地元中学校校長先生をはじめたくさんのご来賓の方々にご臨席いただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
ちょうど3年前、突如として、コロナ感染が拡大し、皆さんの入学式も、ここではなく、教室で放送にて行ったことでした。皆さんの3年間の高校生活は、コロナとの闘いでもありました。辛い・苦しい・やるせない状況もあったかもしれません。ですが、そんなときだからこそ、ピンチをチャンスに変えたことも多かったのではないでしょうか。
本校では、できるだけリアルな教育にこだわってきました。それは、皆さんがリアルな活動にこだわりをもってくれたからできたことでした。校外学習、クラスマッチ、秋のスポーツフェスティバルやけやき祭、そして今年度から始めたカリーチャレンジ。3年生がみんなで楽しもう、やれることをやりきろうという想いで、すべてのイベントが大成功となりました。まさにピンチをチャンスに変えてくれたと思います。
これからの皆さんの人生にもピンチが訪れることもあるでしょう。そんなときこそ、ピンチはチャンスだという気概をもって、がんばってほしいと思っています。
さて、皆さんに最後に伝えたいメッセージがあります。
それは、人生においては、プライドではなく、誇りを持って堂々と生きてほしいということです。もちろんプライドも誇りも辞書で調べれば、意味は全く同じです。
私は昔から、プライドと誇りを区別して使ってきました。
その違いは何かというと、プライドは他者との比較から生まれる優位性のことです。スポーツにおいては、プライドは大切なものです。強いチームにはチームのプライドがあります。他のチームには負けないというプライドです。ですが、そのプライドを保つには、常に他のチームに勝ち続けないとならないという課題があります。選手がそんなプライドをかけて闘うということは、すばらしいことです。
スポーツや闘い場面においてプライドは大切なものです。しかし、私が本当に言いたいことは、人の人生においては、他人と比較するプライドは捨ててほしいと思っています。常に他人と比較する人生はつまらない人生です。他人と比べ、学歴はどうか、収入はどうか、他人より異性にモテルとか、常に他人と比較しながら、生きていく人生は、実につまらない人生となります。
一方、誇りを持ってください。と言いました。誇りとは、自分自身が積み重ねきた経験努力のことです。自分がどれだけ努力を重ねてきたかということが、誇りなのです。
皆さんは、東海福岡で3年間、一生懸命勉強してきたはずです。日々部活動に明け暮れてきたはずです。目標にむけて努力してきたはずです。積み重ねてきたすべてが、皆さん自身の誇りなのです。東海福岡での3年間を誇りに思って、これからの人生もそれぞれの目標にむかって努力を積み重ね、誇りある人生を築いてください。他人との比較の優位性であるプライドなんかどうでもいい。他人を羨んだり妬んだりすることなく、どんな些細な事でも、自分自身を積み重ねて、確固たる誇りをもって、堂々とした人生を歩んでください。
プライドではなく、誇りのある人生を歩め!
これが、私からの皆さんへの最後のメッセージです。
皆さんの今後の誇りある人生を祝して、私の告示とします。
「皆さんの人生に誇りあれ!」
2023年3月2日 東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司
おはようございます。
先般のけやき祭WEEKはお疲れさまでした。本当に、たくさんの来校者を迎え、大成功に終わったと思っています。皆さんの笑顔のおかげ、周りの人を笑顔にしたいという気持ちのおかげだと思っています。ありがとうございました。
現在は、各部活動の秋の大会も佳境を迎えています。先週は女子バスケットボール部が、全国大会第1号でウィンターカップ出場を決めてくれました。また、一昨日の男子サッカーの準々決勝では、100分間の死闘の上、筑陽学園に勝利し、今週の土曜日、東福岡高校との準決勝に臨みます。全校応援体制で応援したいと思います。また、惜しくも敗れてしまったクラブは本当にお疲れ様でした。これからチャレンジをするクラブは、ぜひがんばってください。
さて、今日は学園の建学、そして本校の創立をお祝いする式典です。いつもは、スクリーンを活用したりして、メッセージを出していますが、本日は式典ですので、このマイク一本で勝負したいと思います。
今日、皆さんに伝えたいメッセージは、「人生の勝利の神様は細部に宿る」というお話
です。6年前、本校の創立50周年記念式典で、サッカーの元日本代表監督の岡田武史さんが話をしてくれた「勝利の神様は細部に宿る」というお話からします。岡田さんは日本代表を初めてワールドカップ出場に導いた名監督で、今はFC今治というJ3に属するサッカークラブのオーナーをされています。「勝利の神様は細部に宿る」とは、小さいこと、細かいことを、ごまかさないで、積み重ねることで、大きな勝利を得られるということです。こういう話をされてました。グラウンドの四隅にコーンを置いて、チーム全員でコーンを回ってランニング練習をしていたそうです。ある一人がズルをしてコーンの内側を回っていたそうです。たった数メートルの差ですが、これを許すチームは絶対に強くならない。とおっしゃっていました。その通りだと思います。当たり前のことを当たり前にできないチームは、大事な場面でボロがでます。グラウンドやコートをきちんと整備する。用具や練習道具はきちんと整備して並んでいる。個人の荷物も整理整頓して整然と並んでいる。そんなチームが、本当に強くなっていくのだと信じています。岡田監督だけではありません。あのエンジェルスの二刀流の大谷翔平選手も花巻東高校時代から「勝利の女神は些事にあり」をモットーにしているそうです。いずれにせよ、細かいこと、小さいことをおろそかにしないで、積み重ねていくことが、大きな勝利・大きな成功につながるということです。
さて、このことはスポーツだけではありません。チーム東海福岡全体でも言えることだと思います。授業ではチャイムで着席していますか?始めと終わりの挨拶はちゃんとや
っていますか?机の上や机の中はきちんと整理整頓していますか?「おはようございます」「こんにちは」「お願いします」「ありがとうございます」などの挨拶は明瞭な声でできていますか?先日行った身だしなみ強化週間もそうです。きちんとできていましたか?スカート丈が少々短くても、どうでもいいと心の中で思っていませんか?命を奪ったり人権を脅かすようなルールなら、大いに反対の声を上げてください。でも、組織の秩序やチームのブランドイメージを守るルールは必要です。大事なことは、その組織・チームに属する限り、小さいこと、細かいこと、そして当たり前のことに、こだわりを持つことです。こういった、当たり前のことを、細かいこと、小さいことを、当たり前にできることが、チーム東海福岡が強いチームなることです。
では、なぜチーム東海福岡を強い集団にしたいか、わかりますか。それは、皆さん一人ひとりを強くしたいからですよ。スポーツでは、強いチーム出身の選手は、上のステージに行っても活躍しますよね。同じです。強いチームすなわち強い高校の出身者は、大学や次のステージに行っても、そして社会に出ても、必ず活躍できます。私は、チーム東海福岡を強いチームにしたいと思っています。そして、強いチーム東海福岡を卒業した者は、この社会で活躍して欲しいと思っています。すなわち、チーム東海福岡がもっと強くなれば、皆さん自身も強くなれる。皆さん一人ひとりがもっと成長できる。そして、社会にでても、チーム東海福岡のプライドをもって堂々と人生を歩んでほしいと願っています。これが、「人生の勝利の神様は、細部に宿る」という話です。
このあと、本校の卒業生でもあるKENNZOさんからの講演会があります。本当に楽しみですね。でも、私の話、「人生の勝利の神様は、小さいこと、細かいこと、当たり前のことの積み重ねにある」ということを、どうか、忘れないでください。
チーム東海福岡56周年、みんなでチーム東海福岡をもっと強いチームしましょう!
『 新しいことに怖れず、何事にもチャレンジする力 』
校長 津山憲司
2年数カ月におよびコロナ禍が続いています。昨今は、ようやく感染拡大も落ち着き、日常を取り戻そうとしています。いや、取り戻すのではなく、新しい日常を創り出していかないとならないと考えています。これまでコロナ禍をくぐりぬけてきたからこそ、もっと新しい、もっと力強い、もっと進化した日常でならないと思っています。
この2年数カ月、本校は、「できるときにできることを全力でやろう」という方針で、なるべくリアルな教育にこだわってきました。休校を余儀なくされた時には、オンライン授業を進めました。スポーツフェスティバルやけやき祭などのイベントも決して中止せずに実施してきました。部活動においても、なるべく活動が継続できるように取り組んできました。ご批判もありましたが、国や県の感染防止対策を順守しながら、できるだけリアル活動を続けてきました。リアルな教育にこだわって、そして進化させてきました。たとえば、体育祭を「スポーツフェスティバル」にネーミングだけではなく内容や方針も変更し実施しました。コロナ禍を縫って、クラスごとの校外研修を新たに実施し、今年度は規模を縮小しての修学旅行も実施しました。それらのイベントを実施してきたことで、本校にとって新たな力を生まれたと感じています。それは、「新しいことに怖れず、何事にもチャレンジする力」です。
今年度も新たなチャレンジとして、三つあります。一つ目は、「けやき祭」を金土2日間開催とし、土曜日を一般公開に踏み込みます。二つ目は、7月にマレーシアとの国際交流を再開します。オーストラリア中期留学や海外への修学旅行の再開も計画しています。三つ目は、「カリーチャレンジ」です。学校に竈を12基作製しました。これを使って、クラスごとにグループでカリー作りにチャレンジするという新たな試みです。このチャレンジは、探究学習の一環として「問題発見解決力」「コミュニケーション力」「チーム力」そして「チャレンジ力」などのコンピテンシーを培うことを目的としています。
これからも、本校は「新しいことに怖れず、何事にもチャレンジする学校」であり続けようと考えています。この方針は、必ずや生徒一人ひとりに、コンピテンシーを身につけさせ、これからの社会で堂々と生きていける人間力を培うことにつながります。そして、東海大福岡高校自身が、常に進化する学校であり続けていくことと信じています。
2022年度入学式告辞
校長 津山憲司
陽春の候、陽気に満ちた暖かい春という言葉にふさわしい朝となりました。
本日、ここに東海大学付属福岡高等学校 第57回入学式を挙行できることは、誠にうれしく思うところでございます。ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。
福岡県内の数ある高校から、また日本の数ある高校から、本校を進学先として選んでくれて、ありがとうございます。皆さんのご入学を私たち教職員一同、心より歓迎いたします。
さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。皆さんの向かって右手上方に、東海大学の建学の精神として四つの言葉が書いてあります。皆さんがこれから3年間、日々学ぶ教室の黒板の上にも常時掲げています。本校では、この学園の建学の精神を基本として、4つのスクールポリシーを定めています。保護者の方は、お手元の式次第の裏表紙に載せておりますので、ご覧いただきながら、聞いていただきたいと思います。
まずは、「エデュケーションポリシー」理想とする教育であります。「素直な心と感謝の気持ちをもち、主体性と気概をもって、何事にも挑戦することで、ひとの笑顔のためにがんばれる人を育てたい。」という崇高な理想にむかって進めています。笑顔というのは人に伝わります。人の笑顔をみると自分も笑顔になれます。実は、人を笑顔にするということは、自分も笑顔になれるということです。笑顔という言葉を幸せという言葉に置き換えてみてください。人の笑顔や幸せのためにがんばれる人は、実は、自分も笑顔になれる、自分も幸せになれるということなのです。だからこそ、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人になってほしいと思っています。それが、我々が理想とする教育です。
次に「人間力を育てる」ことを、ナビゲートポリシーとしています。これは、3年間でどのような人に育ってほしいかという我々の教育の目標となっています。そして、カリキュラムポリシーでは、「7つの学力」というコンピテンシーを提示し、具体的にどのような力をつけてほしいかを示しています。最後に、「スクールライフポリシー」です。学習・イベント・クラブ活動を、どのような考え方で活動していくのかを示しています。昨今の新型コロナウィルスとの闘いは、まだまだ終息しそうにありません。
コロナ禍の中、本校では感染拡大防止対策に力を注ぎながら、できるだけリアルな教育にこだわります。オンライン授業も実施しますが、できるだけ対面での授業を大切にします。また、スポーツフェスティバルやけやき祭と呼んでいる文化祭など、極力実施していく方向で進めています。そして、SDGsや仲間と共に成長するチーム力を意識して日々のスクールライフを進めていきます。
さて、新型ウィルスのコロナ禍は、もう2年以上続いています。コロナ禍のなか、ピンチをチャンスに変えたことも多くあったと思います。特に、オンラインやSNSの浸透は目に見張る進化がありました。国や町が閉ざされた状況でも、オンラインで繋がることが簡単にできるようになりました。今後はさらに、世界とオンラインで繋がり、グローバルな活動が広がると思います。そして、オンラインだけではなく、海外に実際出かけたり、留学したり、海外との交流する機会が、確実に増えてくると思います。
一方、現在の世界情勢に目をむければどうでしょうか。連日、ウクライナとロシアの戦争がリアルに報じられています。ウクライナの美しい街が破壊され、人々の平和な日々が崩され、多くの人の命が奪われています。最近では、ジェノサイト・大量虐殺が起こっていることも明白になりました。明らかに、ロシアの戦争犯罪が起こっています。ですが、世界はこの状況を止めることができません。日本も決して無関係ではありません。自分たちから遠いところのこと、関係のないことではなく、わたしたちが生きているこの地球上で起こっていることです。私たち自身には、直接何もできないかもしれませんが、関心を持って注視していかなければならないと思います。
ウクライナだけではありません。世界のいろんなところで、民族・宗教などが要因で争いや紛争が起こっています。また、温暖化問題や食糧問題など今後の世界には多くの課題があります。現在の日本の社会そして世界の情勢には、答えの見出せない課題が多くあります。皆さんは、今後、そのような世界に歩み出さなければなりません。だからこそ、豊かな感性を育み、主体的に社会に関われる人間力が一番大切になってきます。
それには、多面的に物事を考えられる力であるコンピテンシー「7つの学力」を3年間でしっかりと身につけることが大切だと思っています。そして、3年後には、「人の笑顔、人の幸せのために尽くせる人」に育ってほしいと思っています。
保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。私ども教職員一同は、お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づくよう、私たち教職員一同、ひとつのチームとなって、常に生徒に寄り添った指導に、取り組んでまいります。それには、教職員と生徒そして保護者の皆様との信頼関係が肝要になると思っています。より良い教育には保護者の皆様のご協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただきたいとお願い申し上げます。
さあ、新入生の皆さん、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さん自身の力となり、皆さん自身の喜びとなり、皆さん自身の幸せにつながることとなります。
人の笑顔のためにがんばれる、人の幸せのために尽くせる人に成長してくれることを信じ、私の告辞といたします。
2022年4月8日
東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司