「皆さんの人生に、誇りあれ!」
2022年度卒業式告辞「皆さんの人生に、誇りあれ!」
春の優しい陽ざしが感じられる今日、第55回卒業証書授与式を挙行できることは、喜ばしいことであります。
今、呼名されました325名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんのご卒業を教職員一同、誇りに思っております。
保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。本日、お子様の卒業をお迎えし、感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。
また、4年ぶりに、ご来賓の方々をお迎えできることができました。地域コミュニティの方々、地元中学校校長先生をはじめたくさんのご来賓の方々にご臨席いただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
ちょうど3年前、突如として、コロナ感染が拡大し、皆さんの入学式も、ここではなく、教室で放送にて行ったことでした。皆さんの3年間の高校生活は、コロナとの闘いでもありました。辛い・苦しい・やるせない状況もあったかもしれません。ですが、そんなときだからこそ、ピンチをチャンスに変えたことも多かったのではないでしょうか。
本校では、できるだけリアルな教育にこだわってきました。それは、皆さんがリアルな活動にこだわりをもってくれたからできたことでした。校外学習、クラスマッチ、秋のスポーツフェスティバルやけやき祭、そして今年度から始めたカリーチャレンジ。3年生がみんなで楽しもう、やれることをやりきろうという想いで、すべてのイベントが大成功となりました。まさにピンチをチャンスに変えてくれたと思います。
これからの皆さんの人生にもピンチが訪れることもあるでしょう。そんなときこそ、ピンチはチャンスだという気概をもって、がんばってほしいと思っています。
さて、皆さんに最後に伝えたいメッセージがあります。
それは、人生においては、プライドではなく、誇りを持って堂々と生きてほしいということです。もちろんプライドも誇りも辞書で調べれば、意味は全く同じです。
私は昔から、プライドと誇りを区別して使ってきました。
その違いは何かというと、プライドは他者との比較から生まれる優位性のことです。スポーツにおいては、プライドは大切なものです。強いチームにはチームのプライドがあります。他のチームには負けないというプライドです。ですが、そのプライドを保つには、常に他のチームに勝ち続けないとならないという課題があります。選手がそんなプライドをかけて闘うということは、すばらしいことです。
スポーツや闘い場面においてプライドは大切なものです。しかし、私が本当に言いたいことは、人の人生においては、他人と比較するプライドは捨ててほしいと思っています。常に他人と比較する人生はつまらない人生です。他人と比べ、学歴はどうか、収入はどうか、他人より異性にモテルとか、常に他人と比較しながら、生きていく人生は、実につまらない人生となります。
一方、誇りを持ってください。と言いました。誇りとは、自分自身が積み重ねきた経験努力のことです。自分がどれだけ努力を重ねてきたかということが、誇りなのです。
皆さんは、東海福岡で3年間、一生懸命勉強してきたはずです。日々部活動に明け暮れてきたはずです。目標にむけて努力してきたはずです。積み重ねてきたすべてが、皆さん自身の誇りなのです。東海福岡での3年間を誇りに思って、これからの人生もそれぞれの目標にむかって努力を積み重ね、誇りある人生を築いてください。他人との比較の優位性であるプライドなんかどうでもいい。他人を羨んだり妬んだりすることなく、どんな些細な事でも、自分自身を積み重ねて、確固たる誇りをもって、堂々とした人生を歩んでください。
プライドではなく、誇りのある人生を歩め!
これが、私からの皆さんへの最後のメッセージです。
皆さんの今後の誇りある人生を祝して、私の告示とします。
「皆さんの人生に誇りあれ!」
2023年3月2日 東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司