「2021年度入学式 校長告辞」
「2021年度入学式 校長告辞」 校 長 津山憲司
校庭の木々の緑が目に見えて濃くなるとともに、草花も一斉に咲き、生きとし生けるものすべてに生命の息吹きがみなぎる希望の季節を迎えました。
本日、ここに東海大学付属福岡高等学校 第56回入学式を挙行できることは、誠に喜びにたえないところでございます。
ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。
特に、福岡県の数ある高校から、また日本の数ある高校から、本校を進学先として選んでくれて、ありがとうございます。
皆さんのご入学を私たち教職員一同、心より歓迎いたします。
さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。
皆さんの向かって右手上方に、東海大学の建学の精神を基にした学園の教育の命である四つの言葉が書いてあります。皆さんがこれから3年間、日々学ぶ教室の黒板の上にも同じものを掲げています。
四つの言葉、ひとつ目が「若き日に 汝の思想を培え」まずは、物の見方や考え方をしっかりと確立することです。次に「若き日に 汝の体躯を養え」強い心と身体を養うということです。三つ目が「若き日に 汝の智能を磨け」とあります。智能の知は、知識の知(しる)ではありません。知った知識を活用するという智恵の智であります。要するに、単なる知識だけではなく、生きた智を磨くということであります。そして最後が「若き日に 汝の希望を星につなげ」であります。皆さんが努力し続けることで、皆さんの希望や夢を実現させようと呼びかけています。
本校は学園の建学の精神を基本として、まずは人間力を育てる教育をポリシーとしています。昨今の日本の社会情勢は、少子高齢化、AIやロボットの社会進出めざましいところであります。セルフレジや自動運転システムなど、もう既に我々の生活に入り込んできています。そんな社会を堂々と生き抜く力、それが人間力であります。本校では人間力を三つの力に意義づけています。まずは、温かい心と豊かな感性をもった人間性。挨拶がしっかりできる、周りのことを感じながら行動ができる力、すなわち社会性。そして自ら周りを巻き込みながら挑戦する力である主体性の三つの力に定義づけています。人間性・社会性・そして主体性、そういった人間力をしっかりとつけさせていきます。
また、本校の教育は、「人の笑顔のためにがんばれる人を育てたい」という崇高な理想にむかって進めています。笑顔というのは人に伝わります。人の笑顔をみると自分も笑顔になれます。実は、人を笑顔にするということは、自分も笑顔になれるということです。笑顔という言葉を幸せという言葉に置き換えてみてください。
要するに、人の笑顔や幸せのためにがんばれる人は、実は、自分も笑顔になれる、自分も幸せになれるということなのです。だからこそ、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人になってほしいと思っています。それが、我々が理想とする教育です。
昨年から続いている新型コロナウィルスとの闘いは、まだまだ終息しそうにありません。コロナ禍の中、昨年度、多くの学校で、体育祭や文化祭などの行事が中止になりました。本校ではなるべくたくさんの行事を実施してきました。昨年秋には、体育祭であるスポーツフェスティバル、文化祭であるけやき祭も実施いたしました。これからも、できる限り学校活動を進めていきたいと考えています。
学校活動とは、三つの柱で成り立っています。一つ目は当然学習活動、すなわち授業です。そして二つ目が学校行事、すなわちイベントです。そして三つ目が部活動であります。この三つの柱である学校活動を通して、これからの社会を堂々と生き抜く人間力を育てることが本校の教育のポリシーであります。
ですので、これからも、コロナウィルス感染防止対策をしっかり行いながら、学校活動の三つの柱を、できるだけ進めていきたいと考えていますので、ご理解いただきますよう、よろしくお願いをいたします。
また、新入生の皆さんから、タブレットを一人一台導入をしました。これは、昨今のコロナ禍の影響で、休校等の措置を打たねばならないときでも、教育を止めないように導入を決めました。しかしながら、導入の真の目的は、教育を進化させるためです。今まで見えなかったものが見える教育、今まで届かなかったものが届く教育、そして、今まで気づかなかったことに気づくことができる教育を進めていきたいと考えています。
保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。私ども教職員一同は、お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づくよう、私たち教職員一同、ひとつのチームとなって、常に生徒に寄り添った指導に、取り組んでまいります。
それには、教職員と生徒そして保護者の皆様との信頼関係が肝要になると思っています。より良い教育には保護者の皆様のご協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただきたいとお願い申し上げます。
さあ、新入生の皆さん、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さん自身の力となり、皆さん自身の喜びとなり、皆さん自身の幸せにつながることとなります。人の笑顔ためにがんばれる、人の幸せのために尽くせる人に成長してくれることを信じ、私の告辞といたします。
2021年4月8日
東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司