「エール」 ~東海大福岡の文化に・・・~
「エール」 ~東海大福岡の文化に・・・~
今春、コロナウィルスによる臨時休校中、学校が再開したときには、みんなが元気で明るくなって、何か一体感が共有できるようなことを考えられないかと模索していました。そこで、なかなか声を張り上げたり、歌を唄ったりすることができない状況の中、せめて手拍子を一緒にして、心を合わせることができたらという想いにいきつきました。
こんなコロナの時期だからこそ、みんなと繋がりたい。手拍子で仲間を応援したい、誰かに勇気や元気を送りたい。そんな想いで、「タ・タン・タン」と三拍の手拍子をすることにしました。三拍には、1拍目は仲間に対して、2拍目は周りの方々に対して、3拍目は社会のすべての人々に対して想いを送るという意義を持たせました。そして、それを「エール」と名づけました。
5月下旬、ようやく学校が再開できることになりました。そこで、まずは教職員から「エール」を始めることにしました。朝の教職員朝礼の最後に、日直の先生がショートスピーチをして、その後「エール」の音頭をとることにしました。はじめは掛け声も「ヨーオ!」と決めていましたが、平校長代理から「『ヨーオ!』はお酒が入ってないとできないよ。『ワンツー!』がいいのではないか。」とのアドバイスをいただき、「ワンツー」の掛け声で、一同に「タ・タン・タン」と手拍子をすることとしました。
ショートスピーチも先生によってそれぞれ想いを込めた話をしてくれています。ある初任の先生は「今日は小さい時から憧れていた担任業初日です。張り切って・・・」。ほかにも、「先日、息子が少年野球に入りました・・・」 「娘が漢字嫌いだったのですが、漢字ドリルをすごく褒めたら、娘が漢字好きに変わりました。やはり生徒にも・・・」 「クラスの校外研修で、教室では見られない生徒の表情が見られました。校外研修などの学校行事はやっぱり必要だと・・・」 「コロナで学校が休業になったころを思い出して、今の日常の学校生活のありがたさを・・・」など、本当にうなずけたり、ホッと温かくなったり、改めて思い直されたり、みんな朝からすばらしいスピーチを述べてくれます。スピーチのあと、「ワンツー」の掛け声で「エール」の手拍子をして、「今日も一日、がんばろう!」っとそれぞれ元気づけて、各クラスの朝のHRへと職員室を出ていきます。
生徒たちにも「エール」を広めようと思ったのですが、やはりコロナの影響でなかなか集まることができない状況でした。7月中旬、ようやく学年別クラスマッチがあり、学年ごとに開会式で「エール」の意義ややり方を説明し、代表生徒の掛け声のもと「エール」を送ることができました。そして本日10月8日、7カ月ぶりの全校集会を開き、その全校集会の終わりに、生徒の団長(リーダー)の掛け声のもと、ついに全校で「エール」送ることができました。
ウィズ・コロナの困難な時代だからこそ、人と人が繋がりあう、共感しあう、そして励まし合うことを、なにより大切にしていかなければならないと強く思っています。そして、以前でしたら「あたりまえ」の日常生活や学校生活に対して、「ありがとう」という感謝の気持ちをもって生きていくことこそが、この困難を乗り越える意義ではないかと思います。その意義をいつまでも忘れることのないように、この「エール」が、東海大福岡高校の文化になっていくことを信じています。