東海大福岡の『敗れざる者たちへ』
東海大福岡の『敗れざる者たちへ』
〜“真に敗れていない君たちへ”のメッセージ〜
校長 津山 憲司
どんなスポーツにおいても、必ず選手としての引退の時がくる。高校における部活動では、なおさら突然で残酷な引退の時が毎年やってくる。2年と数ヶ月、自分の青春をかけて、朝早くから夜遅くまで打ち込んできた。甲子園、国立競技場、花園、日本武道館、、、福岡でナンバーワン、九州でナンバーワン、全国制覇。それぞれのナンバーワンを目指し、本当に日々努力を重ねてきたと思う。
しかし、多くの高校生は目標に届かず、夢半ばにして敗れていく。しかも試合に出られた者はまだ幸いかもしれない。スタンドで必死に応援をして高校スポーツを終えた者も少なくはない。高校スポーツは一度きりである。もう一度やりたい、もう一度甲子園へチャレンジしたいと願っても、卒業すれば二度とチャンスはやってこない。だからこそ、高校スポーツは美しく尊いのかもしれない。それだけではない。皆さんが必死にやってきた日々って、かけがえのない大きな意味がある。周りの仲間にとって、後輩たちにとって、指導者にとって、応援するすべての人にとって、皆さんの家族にとって。そして何より自分自身にとって大きくて深い意味がある。負けて悔しくてどうしようもないこと。できることならもう一度あの瞬間に戻りたいなどと、叶わないことを心で願ってしまうこと。すべてかけがえのない貴い意味がある。
では、かけがえのない貴い意味ってどんな意味なのか。
実はね、その意味を探すことこそが、皆さんにとってこれからの人生において大きな意味があると思う。現在の競技をさらに極めることも意味があるだろう。また別の世界で新たに勝負することも意味があるだろう。また、はっきりとしたステージは見えないけれど、その意味を探して彷徨うこともよしかもしれない。私の経験から言えることは、人生において、うまくいくことよりうまくいかないことの方がはるかに多いように思う。勝つことより負けてしまうことの方が多い。いや、実は人生は負けることの連続なのかもしれない。でもね、どんなに悔しくとも、どんなに辛くとも、どんなに苦しくとも、明日はまた必ずやってくる。どんなに辛くとも、訪れた明日を必死にもがきつづけなければならない。言い換えれば、明日に向かってもがきつづけることができていれば、まだ真に敗れていないということだ。
今回のテーマ『敗れざる者たちへ』は、明日に向かってもがきつづける、そんなまだ真に負けていない君たちに対するメッセージ。もがきつづける限り、真に敗れてなどいない。
東海大福岡の『敗れざる者たち』よ、どんなに辛くても必死にもがきつづけよ!
そして、いつか人生での真の勝利を勝ちとれ!